腕をなくして人生が激変、パラテコンドーのパイオニアとしての決意

腕をなくして人生が激変、パラテコンドーのパイオニアとしての決意

伊藤力選手(提供:全日本テコンドー協会)

 2020年東京パラリンピックで初めて正式競技に採用されるパラテコンドー。2009年に初めて世界選手権が開催されたという新しい競技で、国内でも東京大会における競技採用をきっかけに、本格的な普及と選手育成が始まった。

 東京パラリンピックの採用種目は上肢障がいの選手によるキョルギ(組手)で、障がい別に4クラス、体重別に3階級に分かれて行われる。パラテコンドーではパンチ(突き)はポイントにならず、有効ポイントは蹴りによる胴への打撃で、頭部への攻撃も禁止されている。それだけに足技の多彩さが際立った競技だと言えそうだ。

 今回は、パラテコンドーとの出合いによって劇的に人生が変わったアスリートをご紹介したい。

■やんちゃな子ども時代、色々なスポーツを経験

 伊藤力、1985年宮城県仙台市生まれ。

 兄弟は双子の兄と6歳下に弟がいる。小学生の頃から身体を動かすことが大好きで、一つのことに意識が向くとまったく周囲が見えなくなるような性格だった。放課後の掃除の時間に雑巾がけで競争すれば、夢中になって水飲み場に突っ込んで頭から血を流したり、目の前に障害物があるのに気づかず、積まれたタイヤから飛び降りて怪我をしたこともある。

 「遊んでいるときばかりですが、夢中になるとそれしか見えなくなってしまうんです。ガラスを割ったり、骨折したり、とにかく怪我の多い小学生時代でした。そんな子でしたが、あまり束縛されることもなく、おおらかに育ててもらったと思っています。

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