中国・不動産バブルの申し子を襲う変化の波

中国・不動産バブルの申し子を襲う変化の波

(iStock/Petmal)

 中国の不動産大手、万科企業(深セン市)のカリスマ創業者王石会長の退任が6月下旬、決まった。不動産バブルの中国で、先頭集団を走り続けてきた同社。トップ交代のみにとどまらない変化の季節を迎えている。

 万科の2017年1〜6月期の不動産販売金額は、2727億5000万元(約4兆6千億円)で中国で2位、販売面積は3位。不動産市場のトップ3に君臨し、成長を続ける優良企業だ。1984年に創業した王石氏の元、成長を続け、黄金時代を築いてきた。そんな同社を襲ったのが、突然の敵対的買収だった。

 15年7月に当時無名だった企業グループ「宝能投資集団」に敵対的買収を仕掛けられ、以来、同じく不動産市場トップ3でライバルの中国恒大集団にも株を大量に購入されるなど、買収の嵐に遭ってきた。筆頭株主となり経営に口出ししようとする宝能のトップを王石氏は「野蛮人」と激しく非難。全面戦争となっていたが、国有企業でシナジーも高い「深セン市地鉄集団」が中国恒大から株式を譲渡され、万科の筆頭株主になる見込みが立った。

 2年間経営を揺るがし続けた買収問題が収束に向かう中、33年間同社を率いてきた王石氏は退任を決めた。名誉会長に就任するものの、経営には携わらないとしており、実質的に引退となる。

 王石氏はもともとトウモロコシの仲買人としてビジネスを始めた。貿易業に手を広げ、88年に不動産業に進出。91年には会社を株式会社化したが、これは不動産業界で初のこと。

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