カタール危機で一層複雑化する湾岸政治

カタール危機で一層複雑化する湾岸政治

(iStock.com/alexkava/Vasilyevalara/NLshop/mgordeev/ponsuwan)

 英フィナンシャル・タイムズ紙のラックマンが、6月19日付の同紙で、カタールの問題は世界的影響を持ち、湾岸諸国が繁栄を謳歌してきた時代の終わりかもしれないと述べています。主要点は次の通りです。

 過去6年アラブには二つの世界があった。シリア、イラク等では問題が続き、他方カタール、アブダビなどは世界のレジャー、ビジネス、金融ハブとして繁栄してきた。湾岸諸国の繁栄は、他の地域の暴力的な状況とは無縁であった。

 しかし二つの世界の区別がなくなっている。サウジ、バーレーン、エジプト、UAEが、カタールを封鎖する行動を取った。理由は同国が地域のジハード運動を支援しているということである。シリア等と違って、湾岸諸国は世界経済を揺るがし、この地域の安全保障問題は世界に影響を与える。

 湾岸諸国の経済的役割は国の規模を超えている。カタールは世界最大の液化天然ガスの輸出国だ。カタール投資公社は大手銀行や欧州企業の大株主だし、大投資家でもある。2022年にはW杯を主催する。ドバイは中東での主要な訪問都市になり、世界一高いビルを擁し、エミレーツ航空は世界最大級の航空会社だ。アブダビ投資公社は総額8000億ドルの資産を持つ世界第二の政府系ファンドである。サウジは中東最大、最強の国で、世界最大の石油産出国だ。

 緊張は以前から増大していた。サウジはカタールが独立して国際舞台で活躍することを快く思って来なかった。

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