歌麿の大作、「雪」と「花」が夢の競演

 美人画の名手として江戸庶民を魅了した浮世絵師、喜多川歌麿(きたがわうたまろ)。このたび歌麿が手掛けた肉筆画の大作「雪月花」三部作のうち、「深川の雪」と「吉原の花」がそろう特別展が、箱根の岡田美術館で開かれる。2作品が日本で同時公開されるのは実に138年ぶりという貴重な機会となる。

 「雪月花」三部作は、歌麿が豪商、善野(ぜんの)家の依頼を受けて栃木で描いたといわれる。明治12年(1879)に展示された後にパリに渡り、現在「品川の月」はフリーア美術館(米国ワシントンDC)、「吉原の花」はワズワース・アセーニアム美術館(同コネチカット州)が所蔵する。

 唯一、日本に戻った「深川の雪」は昭和27年(1952)の展示を最後に長らく所在不明となっていたが、平成24年に再発見、岡田美術館の収蔵作品に加わった。

 遊郭の大通りや引手茶屋の室内の様子を華やかに描いた「吉原の花」には、総勢52人もの群像が描き込まれている。一方、三部作の最後に制作され、歌麿最晩年の作とされる「深川の雪」には、料亭の座敷で飲食の準備をする26人の女性が登場する。会場には「品川の月」の原寸大の高精細複製画もあわせて展示。三部作の大画面の迫力とともに、歌麿美人の魅力をとくと味わいたい。

*情報は2017年6月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2017年8月号より

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