ほとばしる色彩が誘う絹谷芸術の世界へ

ほとばしる色彩が誘う絹谷芸術の世界へ

絹谷幸二 《アンジェラと蒼い空 II》 昭和51年(1976)東京国立近代美術館蔵

 鮮烈なイメージとダイナミックな構図で知られる洋画家、絹谷幸二(きぬたにこうじ)。これまでの代表作品を通して、独自の画風をたどる展覧会が開かれる。

 昭和18年(1943)生まれの絹谷は、東京藝術大学で学び、壁画の集中講義のために来日したブルーノ・サエッティ教授の誘いを受け、昭和46年にヴェネツィアに留学。壁画の古典的技法、アフレスコの現代的表現を習得する。帰国後に発表した「アンセルモ氏の肖像」で、新人洋画家の登竜門とされた安井賞を最年少(当時)で受賞し、一躍脚光を浴びる。

 本展では、初期の代表作の1つ「アンジェラと蒼い空U」を、それに先立って作成された「アンジェラと蒼い空T」(前期のみ)と並べて展示、そのイメージの変遷を比べることができる。

 奈良で生まれ育った絹谷が、幼少時より親しんでいたという興福寺の北円堂に安置された国宝「木造無著(もくぞうむじゃく)・世親立像(せしんりゅうぞう)」を描いた作品「無著・世親立像」が展覧会で初めて公開されるのも見逃せない。

 ほかにも本展のために制作された京都がテーマの最新作をはじめ、作品の世界観を映像化した3面スクリーンの大作の展示など、多彩な絹谷作品に出会える。

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