なぜ日本企業はシベリアを目指さないのか?

 3年前のルーブル急落を機に輸入品が割高になり、ロシア国内のビジネス界では「自国でつくれるものは自国で」が共通認識となっている。筆者はシベリアの中心都市ノボシビルスクで、この典型といえそうな企業を訪ねた。

■ロシア産アルミで外壁材製造

 そこは清潔で整頓された、アルミ外壁材の工場だった。

 天井の高い、ホワイト基調の広々とした空間に、オレンジ色の生産機械が数十メートルに渡ってつながっている。ロシア国内から調達したアルミ材のロールが機械で伸ばされ、表面に塗装が施されていく。塗料を乾かすための加熱と冷却、仕上げの表面処理などがすべて自動で進行する。ラインに立つスタッフは10人もいないようだ。いるのは機械を操作または監視する人で、慌ただしく動いている人は見当たらない。出来上がった外壁材パネルに、機械から伸びてきた吸盤が吸い付き、装置脇の決まったスペースに自動で重ねられていく。

 ノボシビルスクに本社を構える外壁材メーカー・SIBALUX(シバリュクス)の工場である。稼働から2年半が過ぎるが、建物も設備も、つい最近できたかのように手入れされていた。場所はノボシビルスクの空港に近い、州政府が管理する産業団地の一画だ。ここでつくった外壁材はロシア全土に出荷される。中には首都モスクワ中心部・アルバータ通りのビル改装用に納品したものもあるという。アルバータ通りは日本で言えば東京・銀座のような位置づけだ。

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