イスラム教もキリスト教も、なぜ戦後の日本でうまく根付かなかったのか

イスラム教もキリスト教も、なぜ戦後の日本でうまく根付かなかったのか

佐藤優さん、出口治明さん

ライフネット生命会長・出口治明さんが「歴史」や「教養」をテーマに、さまざまな有識者をゲストに迎える対談企画「出口さんの学び舎」。技術革新やグローバル化により変化の激しい現代で、ぶれない軸を持って生きていくために必要なものとは何か、対話を通じ伝えていく――。

■「ビジネスと相性のよい宗教じゃないと、残っていきません」

出口:お会いできることを楽しみにしていました。いきなり本題に入りますが、人はなぜ宗教を求めるのでしょうか?

佐藤:端的に言うと、死ぬからですよね。死んだ先のことがわからないから。でも、もっと重要なのは、近代に生きている人間は、宗教とは自覚していなくても、みんな宗教を信じていると思うんです。

出口:どういうことでしょう。

佐藤:一番近い宗教は「拝金教」。お金を信じている。

出口:お金はあったほうがいい、と。

佐藤:ええ。でも、何のためにあったほうがいいかとは、あまり考えません。

出口:確かに考えませんね。

佐藤:それと、もう一つは「出世教」ですね。とにかく上に行きたい。おそらく、霞が関の中央官庁の課長たちを全員集めて、「年収100万円減らすけれども局長になりたい人いる?」と聞いたら、全員手を挙げると思います。

出口:ハハハ。

佐藤:出世教と関係しているのは、「受験教」ですね。そのような宗教はたくさんあると思うんだけど、一番重要なのは、宗教という形をとらないと思うんです。

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