弱者保護が弱者を困らせる可能性を考える

弱者保護が弱者を困らせる可能性を考える

(Stockbyte/iStock)

 弱者と聞くと、「可哀想だから保護してあげよう」と考える人が多いと思いますが、弱者を保護する事が、かえって弱者を困らせることもあるので、注意が必要です。文字通りの意味で「情けは弱者のためならず」というわけですね(笑)。

■女性の深夜労働禁止は女性差別?

 「女性に深夜労働をさせるのは可哀想だから、女性の深夜労働は禁止しよう」という法律をどう思いますか? これは問題ですね。女性にも、深夜労働で割増手当を稼ぎたい人、子どもを寝かせてから深夜に働きたいシングルマザー、等々がいます。そうした人の希望を法律が奪うべきではありません。

 加えて、「女性を雇うと、必要な時に深夜残業をさせることができない。それなら男性を雇おう」と考える雇い主が出てきます。これは、女性の就職活動を不利にしてしまいます。

 そんな法律を作らなくても、競争原理が働けば、「男性も女性も、深夜残業をさせることがあります。その代わり、給料は高いです」という会社と、「男性も女性も、深夜残業をしたくない人は申し出て下さい。深夜残業をさせないと約束しますが、その代わり給料は安いです」という会社ができるので、深夜残業をしたい人、したくない人がそれぞれ希望の会社に就職すれば良いのです。

 産休についても、考え方は同様です。「女性を雇うと産休を取得されるから、男性を雇おう」という企業が出てくるので、女性にとって不利なのです。まあ、そうは言っても、産休は母体の保護と同時に子どもの保護にも必要ですから、認めざるをえないでしょうね。

1 2 次へ

関連記事(外部サイト)