北朝鮮にはないがトランプの資産捜査にはあるレッドライン

 今回のテーマは「トランプの2つの失望」です。ドナルド・トランプ米大統領は、ホワイトハウスでの記者会見及びツイッターでジェフ・セッションズ司法長官と中国に対して「大変失望している」とかなり強い不満を漏らしました。2016年米大統領選挙におけるトランプ陣営とロシア政府の共謀を巡る「ロシアゲート疑惑」を払拭できない状態が続いているからです。それに加えて、期待していた中国が本気で最大限の圧力をかけないために、トランプ政権の対北朝鮮政策は効果が出ず、完全に袋小路に陥っています。そこで本稿では、トランプ大統領の2つの失望の背景を説明しながら、ロシアゲート疑惑と北朝鮮によるICBM(大陸間道弾ミサイル)発射の問題を考えてみます。

■リスクの高いモラー解任

 まず、トランプ大統領のセッションズ司法長官に対する失望からみていきましょう。そのきっかけになったのは、同長官がロシアゲート疑惑の捜査から身を引くと決断したことでした。トランプ大統領は同長官にロシアゲート疑惑を解決させたかったのですが、思惑通りにいかず、結局、特別検察官が任命されコントロールが効かなくなってしまったのです。

 そこでトランプ大統領はあるシナリオを練っていると見られています。セッションズ司法長官を解任して、新長官にロシアゲート疑惑の捜査を進めているロバート・モラー特別検察官の首切りをさせるシナリオです。ただ、このシナリオにはかなりのリスクが伴います。

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