北朝鮮はレッドラインを越えたのか

北朝鮮はレッドラインを越えたのか

(写真:AP/アフロ)

 7月28日深夜、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14号」を打ち上げた。北朝鮮の発表によれば、発射は通常より高くミサイルを打ち上げるロフテッド軌道で行われ、約3700キロメートルの高度まで上昇し、およそ45分間飛行した後、日本海に着水した。通常の軌道で撃っていれば、射程距離は1万キロに達するとみられ、ロサンゼルスやシカゴが標的に入る可能性がある。なお、ICBMは射程距離5500キロ以上の弾道ミサイルのことをいう。

 米国のトランプ大統領は、8月1日にグラム上院議員との会話の中で、北朝鮮がICBMの開発を続けるなら「戦争」になると伝えたと報じられている。トランプ大統領は、就任前に「北朝鮮がICBMを持つことはない」とツイートし、ICBM保有が武力行使につながるレッドラインであることをほのめかしていた。しかし、政権発足後に北朝鮮政策の見直しを行った際には、レッドラインを明確にしなかった。今回の発言は、ICBMの保有がやはりレッドラインである可能性を示唆している。

 しかし、トランプ政権内からは別の声も聞こえてくる。トランプ政権はこの春に朝鮮半島に2隻の空母を派遣するなど、北朝鮮への軍事圧力を強めたが、軍を統制するマティス国防長官は北朝鮮への軍事攻撃は「壊滅的な結果」をもたらすと慎重な姿勢を見せた。外交を司るティラーソン国務長官は、北朝鮮の政権転覆は目指さないとし、対話を重視する構えだ。

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