日本最古の博物館のチャレンジ『びょうぶとあそぶ』

日本最古の博物館のチャレンジ『びょうぶとあそぶ』

日本最古の博物館のチャレンジ『びょうぶとあそぶ』の画像

 豊臣秀吉が天下を統一した頃に長谷川等伯によって描かれた『松林図』は、日本の水墨画の最高傑作といわれている。これは後に屏風に仕立てられ、現在は東京国立博物館で国宝として保管されている。そして江戸時代の琳派の雄、尾形光琳作の金地着色、6曲1双の『群鶴図屏風』は、アメリカのフリーア美術館が所蔵している。

 上野の東京国立博物館は明治5年(1872年)に創設された。その「日本を中心に広く東洋諸地域にわたる文化財を収集・保管して公衆の観覧に供する」ための(現存する)日本最古の博物館で、最新のデジタル技術を駆使して、この二双の屏風を「公衆の観覧に供する」新しい試みが行われている。

 『松林図屏風』は、展示室に敷かれた畳の上に置かれている。訪れた人々は、靴を脱いで座ったり寝転んだりしながら、屏風を囲む半円形の大型スクリーンに映し出される映像を楽しんでいる。6分ほどの映像は、これも等伯の『瀟湘八景図屏風』をイメージした松林の四季の移り変わりを、その風景のなかを飛ぶカラスの目線で体験することができる。海辺の風や匂いまでも感じられる演出がされているが、中国の湖南省の瀟湘(しょうしょう)には海はない。そこは等伯の出身地の能登七尾の松林なのかもしれない。

 『群鶴図屏風』が展示されている部屋に入ると、大きなスクリーンで鶴の群が羽ばたき地面に降り立つ。鶴は見る人の動きによって、集まってきたりこちらを向いたりする。

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