モスル奪還と新たな危険性

モスル奪還と新たな危険性

(iStock.com/sihasakprachum/Grandfailure/Mathisa_s/robru)

 モスル奪還に関連し、7月11日付の英フィナンシャル・タイムズ紙は、「イスラム国(IS)の脅威はジハーディストがイラクでの陣地を失うとともに移動する。モスル陥落はイラクとその支持連合に新しい危険をもたらす」との社説を掲載しています。社説の論旨は、次の通りです。

 モスル攻撃が始まって9か月、7月9日までに米国が支援する兵力がISの抵抗打破に成功し、イラク首相アバディがモスルを訪問し、勝利宣言をするに至った。ISはラッカでも包囲され、敗北は時間の問題である。

 物理的カリフ国は崩壊しているが、ISの危険を過小評価すべきではない。

 モスルは2014年、数百のIS兵士が数千のイラク軍を敗走させた後、ISの占領下にあり、ここのアル・ヌリ・モスクでバクダディがカリフ国を宣言した。

 イラクの諸派閥と外国支持者(クルド、トルコ支持のスンニ派、イラン支持のシーア派民兵、イラク政府軍)が失地回復のために団結し、数千の犠牲者を出しながら、厳しい戦いをした。共通の軍事目標を追求した。

 不幸にも、これらの勢力を結び付け、ばらばらになり戦うのを防ぐ共通の政治目標がない。モスルの統治と治安維持の計画もないように見える。イラクの他の地域でも地方権力や自治警察力はなく、宗派抗争が起きている。このような状況があると、イラクでの長期的な平和を作る希望はない。

 ISは2003年の米国のイラク進攻後の民族・宗派混乱から生まれた。

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