製造業は全労働者のわずか16%なのに、日本は物づくり大国?

製造業は全労働者のわずか16%なのに、日本は物づくり大国?

(Ivary/iStock)

 高度成長期に立派な工場が大量に建てられて以降、日本は「物づくり大国」だと言われて来ました。しかし、直近の労働力統計を見ると、製造業のウエイトは全体の16%を占めているに過ぎません。なぜなのでしょうか?

■ペティ・クラークの法則で製造業が縮小した

 経済学で「ペティ・クラークの法則」を習ったことがあるかも知れません。これは、「多くの国で、最初は第一次産業(農林水産業等)のウエイトが高く、経済が発展するに従って第二次産業(鉱工業、建設業等)のウエイトが高くなり、更に経済が発展すると第三次産業(その他)のウエイトが高くなる」という法則です。こうしたシフトは、需要面と供給面の両方で生じますので、分けて考えてみましょう。

 高度成長期には、都会に新しい工場が建ち、農村から若者が働きに来ました。第一次産業から第二次産業へのウエイトのシフトです。需要面では、工場で給料をもらった人々(金の卵と言われた若者のみならず、農村から出稼ぎに来た労働者も)が、テレビや冷蔵庫や電気洗濯機などを買いました。所得水準が上がったので、食料以外のものも買えるようになったのです。

 供給面では、新しい工場が次々と建ちましたから、最新式の機械で大量生産が行なわれるようになりました。工場で働く労働者も農村から大勢やって来ました。農村が労働者を送り出せるようになったのは、トラクターや化学肥料のおかげでした。

 さらに経済が発展して日本人が豊かになると、第二次産業から第三次産業へのシフトが始まりました。

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