パキスタンが拒めない中国のカネ

パキスタンが拒めない中国のカネ

(iStock.com/-E/LIKA-/Tigatel/Greens87/SergeOstroverhof/ChrisGorgio/kaisorn)

 中国が打ち出した中国パキスタン経済回廊構想は、パキスタンが拒否できない資金を提供し、インドは心中穏やかではないが、中国の資金力には太刀打ちできず、南アジアで中国が優位に立った、と7月22日付の英エコノミスト誌が報じています。論旨は以下の通りです。

 中国の一帯一路の目玉と喧伝される中国パキスタン経済回廊(CPEC)は、パキスタンへの600億ドルの投資を約束している。その半分以上は発電用に割り当てられるが、道路、港湾、空港、光ファイバー・ケーブル、セメント工場、農産業、観光用にも多額の資金が残る。

 パキスタンにとり、中国のカネは天の恵みで、経済を活性化し、慢性的電力不足を解消してくれるだけでなく、インドに対する戦略的保険にもなる。中国は長年パキスタンに武器を供給し、同国の核開発についても技術援助と外交的口実を提供してきた。しかも、米国と違い、全天候型の友人だ。米国も経済的、軍事的援助をしてきたが、対テロで煮え切らないパキスタン政府に腹を立て、援助を渋ることが度々あった。

 しかし5月にCPEC計画が新聞で報道されると、多くのパキスタン人が不安を抱いた。同計画が、新疆生産建設隊(XPCC)のためにパキスタンの農業が大きな役割を果たすことを想定しているためだ。XPCCは中国国防省の機関で、1950年代から中国西部国境地域で漢族の入植を先導した。巨大な農場や工場に加え、幾つもの市を丸ごと管理運営し、軍隊式に組織された約300万もの人々を抱えている。

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