プーチンがNATOに楔、トルコ、ロシアとミサイル購入契約

プーチンがNATOに楔、トルコ、ロシアとミサイル購入契約

(BeeBright/iStock)

 中東の大国トルコはこのほど、ロシアから最新鋭の地対空ミサイル・システムS400を購入する契約を締結した。トルコは西側の軍事同盟「北大西洋条約機構」(NATO)の一員だが、ロシア寄りに大きくカジを切ったと言えるだろう。プーチン・ロシア大統領からすれば、NATOに楔を打ち込んだことになり、中東でのロシアの存在感は一段と高まった。

■有事のNATO作戦に支障

 トルコがロシアからミサイルを購入することは、数ヶ月前からの既定路線だったとはいえ、水面下で米国などからの見直しの圧力を振り切って購入に踏み切ったのは重大だ。独裁的な権力を振るうトルコのエルドアン大統領がロシアへの傾斜を強めていることが鮮明になり、中東の勢力図が大きく変わる動きだからだ。

 とりわけ、仮想敵国であるロシアのミサイルがNATOの中に導入されることで、有事の際のNATOの軍事作戦に支障が出る恐れがある。軍事システムの一体性が担保されない懸念があるためだ。加盟28カ国の中で、ロシア製の兵器システムを取り入れているところはトルコを除いて1国もない。

 エルドアン大統領は「トルコの独立性や、防衛に関する決定について語る権利はわれわれを除いて誰にもない」などと地元紙に述べ、ロシアからミサイルを購入することへの米欧の批判に反発した。トルコ同様、地域大国であるイランも最近、ロシアから同様のミサイル・システムを導入している。

 このロシア、イラン、トルコの3カ国はシリアの和平協議をカザフスタンでたびたび開催するなど枢軸関係を深めており、米欧の懸念は強い。

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