クルド独立投票でイラク緊張、各国が猛反発、新たな内戦の恐れ

クルド独立投票でイラク緊張、各国が猛反発、新たな内戦の恐れ

クルド人の居住エリア(PeterHermesFurian/iStock)

 イラクのクルド自治政府による独立国家の是非を問う住民投票が9月25日に迫る中、関係各国が猛反発し、緊張が高まってきた。特にイラク中央政府は軍事介入までちらつかせており、過激派組織「イスラム国」(IS)が掃討されつつある一方で、新たな宗派紛争、内戦の恐れが出てきた。

■油田都市キルクークの支配

 クルド人は国家を持たない最大の民族として知られる。イラク、トルコ、シリア、イランにまたがる山岳地帯を中心に約3000万人が居住している。今回、独立の是非を問う住民投票を計画しているのは、イラク北部のクルド自治政府だ。自治政府のバルザニ議長が昨年2月、「クルド人の将来を決める時は来た」として住民投票の実施を発表していた。

 各地のクルド人はISの台頭とその混乱を独立に向けた地歩を固めるために最大限利用した。イラクでは米軍の支援を受け、北部モスルなどでイラク軍治安部隊とともにIS掃討作戦を推進した。特に北東部の油田地帯の中心都市キルクークの解放に全力を挙げた。

 キルクーク一帯の油田の生産量は70万バレル(日量)といわれ、イラク有数の油田の1つ。当地の支配と権益をめぐっては中央政府とクルド自治政府との間で対立が続いてきた。ISが2014年6月、隣国シリアからイラクに侵攻すると、それまでキルクークに駐屯していたイラク軍が逃走し、ISの占領するところなった。

 その後、クルド自治政府の軍事組織ペシュメルガがキルクークを解放し、同地の支配を固めてきた。

1 2 3 次へ

関連記事(外部サイト)