意外に手堅いドゥテルテの経済政策

意外に手堅いドゥテルテの経済政策

(iStock.com/Greens87/duleloncar_ns/zmicierkavabata/ MuchMania)

 エコノミスト誌8月19日号の解説記事が、フィリピンのドゥテルテ大統領は、経済については熱烈な改革派でも過激なポピュリストでもなく、それなりに有能だ、と同大統領の経済運営を評価しています。要旨は次の通りです。

 8月初め、ドゥテルテは公立大学の学費廃止の法律に署名、一時的契約による雇用(雇用の約30%を占める)の制限や、農民支援のためにコメの輸入停止も約束した。さらには、中国からのインフラ投資の約束と引き換えに、中国への忠誠を誓っている。

 エコノミストらは、貧困層出身の学生は少なく、学費廃止はむしろ富裕層への補助になり、コストもかかると指摘。私立大学は、学生の急減を心配している。

 しかし、実はドゥテルテの過激な経済政策の大半は、こうした混乱を引き起こす前に経済官僚らによって骨抜きもしくは棚上げにされ、その大言壮語にも関わらず、ドゥテルテの1年目の経済政策は驚くほど地道なものだった。

 フィリピン経済は東南アジアの中でも図抜けて元気で、昨年の成長率は6.8%とシンガポールやマレーシアを上回り、世界銀行は今年と来年についても同様の成長を予測している。英語を使える若年人口が多いことも追い風になっており、海外でメイド、看護婦、ウェイター等として働くフィリピン人からの送金額も年間約310億ドル、GDPの10%以上になる。

 また、西側の企業が膨大な量の単純オフィス業務をフィリピンに委託しており、こうしたビジネス委託産業はこの15年でGDP比ゼロから9%にまで成長した。

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