「あいつは使えない」は差別用語

「あいつは使えない」は差別用語

(Hemera Technologies/iStock)

 今回は、書籍や雑誌などの編集制作をする編集プロダクション・エデュカの社長の竹下光彦さん(73歳)を取材した。早稲田大学教育学部英語英文学科を卒業後、研究社出版にて英語教育専門誌や視聴覚教材の編集長を務める。1975年、31歳のとき、エデュカを設立した。英語教材をはじめ、多くの教材、書籍、雑誌、DVDなどの編集制作にかかわる。一時期、経営危機に陥るが、それを乗り越え、現在に至る。今も小学生から社会人までに英語を教えるほか、英語力育成のための講演・コンサルティング活動を続ける。

■社長の器以上に、中小企業は大きくはならない

 「あいつは使えない」なんて言葉を使う人は、不遜だと思います。ある意味で、それは差別用語に近い。私は多いときで30人ほどの社員を雇っていましたが、そんな言葉を使ったことはありません。

 2002年ごろに会社(編集プロダクション・エデュカ)の経営状態が悪化したとき、優秀な社員から辞めていきました。ほかの会社の中途採用試験に早々と受かり、転職をするのです。残るのは、転職することができないような人たちでした。「仕事ができる」とは言い難い人です。

 仕事ができない社員しか残らないならば、私もそのレベルの社長だったのです。社長の器以上に、中小企業は大きくはならないのです。当時の私には、大きくしていくような人間力もなかったのでしょう。

 だけど、私は彼らを辞めさせることはしなかった。

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