ブレグジットが生む後遺症、在英外国人の「市民権」問題

ブレグジットが生む後遺症、在英外国人の「市民権」問題

(iStock.com/wildpixel/tintin75)

 昨年6月、「番狂わせ」で世界を騒がせた英国のEU離脱「ブレグジット」─。投票から15カ月が過ぎた現在、同国では、在留外国人家族が不透明な将来への不安を募らせている。

 ブレグジットが世界に及ぼす影響は、主に世界経済やEUの単一市場経済の揺らぎである。各国に点在する英国企業の撤退などによる経済損失の可能性が懸念されている。

 しかし、こうした経済的な影響以外にも、英国に住む他国籍市民が、「定住資格」や「市民権」を以前のように取得できない問題が起きている。

 長年、英国に住むスペイン人女性(49歳)とオランダ人男性(同)の夫婦から生まれた長男(15歳)と長女(12歳)が、「定住資格」を拒否されたニュースが今年4月、英紙ガーディアンで報じられた。

 子供は、ともに英国生まれの英国育ちで、両親と違って国外居住経験はない。「定住資格」取得には、同国に5年以上合法的に居住している必要がある。母親は「イギリスで生まれ育った息子たちの方が、我々よりも資格を得る価値が高いはずだ」と指摘。1週間後、子供たちに認可が下り、この問題は解決した。

 テリーザ・メイ首相は、6月に開かれたEU首脳会談で、「英国に住むEU市民の在住権は保護したい。家族が離れることはない」と明言。しかし、他国首脳の反応は好ましくなかった。

 欧州連合法によると、EU市民とその子供たちは、「定住資格」を申請する必要はなく、英国で暮らす権利を持つが、今後の動きは不安定。

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