近代化の奔流のなかでインドの伝統的価値観の行方は

 ゴンパの宿坊の大部屋にチェックイン。大部屋には先客が1人。青年はポーランドのグダンスク出身のトラックドライバーでヤンと名乗った。グダンスクという地名を聞いてソ連邦崩壊後のグダンスク造船所の労働者が中心となった自主労組「連帯」運動を思い出した。しかしヤンによると自主労組「連帯」(independent labor union Solidarity)の栄光は過去のものであるようだった。

 ヤンは貯めたお金でインド、タイを2カ月の予定で旅行中。ポーランドはEUのメンバー国であるが逆にEUの規制に縛られて自由にお金を稼げないという不満があるという。EU規制によりトラックドライバーは1日9時間という走行規制がある。従い9時間走行すると停止して翌日まで走行再開できない。つまり国境を跨ぐ長距離輸送は単独運転では不可能となる。予算に余裕のある大手の運送会社はトラックに2人乗務させて長距離輸送を独占している。

 またドライバーの国籍や運送会社の営業拠点によりドライバーの時給は大きく異なるという。例えばオランダ国籍のドライバーがオランダの運送会社で勤務すれば時給15ユーロ程度である。しかしポーランド人ならその6割、すなわち時給9ユーロにしかならないという。

 ヤンは規制で縛られ賃金格差があるドライバーを辞めて同一作業同一賃金が保証されている建設業の出稼ぎを考えているとのこと。建設業で金を貯めて次回は日本を一周するのが目標だと笑った。

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