中国の庇護の下、独裁制に転落するカンボジア

中国の庇護の下、独裁制に転落するカンボジア

(iStock.com/Evgenii_Bobrov/filipfoto/anakeseenadee)

 最近カンボジアのフン・セン首相が野党やメディアの弾圧に乗り出していることについて、英フィナンシャル・タイムズ紙が、中国の庇護の下に権威主義的な専横が進む状況に憂慮を表明する社説を9月8日付けで掲載しています。要旨は次の通りです。

 カンボジアの新聞「Cambodia Daily」の最後の紙面(9月4日)の見出しは「露骨な独裁制への転落」というものであった。そこには3日の夜中に逮捕されることとなる最大野党の党首の写真があった。

 「Cambodia Daily」は1993年に創刊された独立系の英字紙であるが、政権による自由の抑圧を報道したがためにフン・セン首相によって廃刊に追い込まれた。

 最大野党救国党の党首ケム・ソカの逮捕は抑圧を強化するもので、フン・センは明年7月の選挙を前にして、彼の不安感を露わにすることとなった。彼は「カラー革命」が起こる心配を口にし、野党の地滑り的勝利が30年の政権掌握に終わりを告げることを怖れている。彼はあと少なくとも10年は政権にとどまると言い、全ての段階の選挙に与党人民党が勝つのでなければ、国は内戦に逆戻りすると脅かしているが、クメール・ルージュの司令官だった経歴を考えるとあながちこけおどしとはいい切れまい。

 過去何十年もの間、フン・センの権威主義的な傾向はガバナンスと民主主義の紐が付いた西側諸国の援助によって抑制されて来た。しかし、近年、中国の国策としての多額の投資によって彼の本当の政治的傾向の赴くままに行動することが可能となった。

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