未だ支持者を惹きつけるトランプ話法の威力

 今回のテーマは「トランプの言動」です。ドナルド・トランプ米大統領は、内政においてナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の選手及び身内である与党共和党議会との対決姿勢を鮮明に出しています。一方、外交・安全保障問題では依然北朝鮮に一歩も譲りません。このような状況でトランプ大統領がとる言動には、明らかに意図があります。本稿では、同大統領の言動を読み解きます。

■トランプの争点化する力

 トランプ大統領の特徴の一つに「争点化する力」があります。自ら争点を作って、支持基盤に訴える力です。例を挙げてみましょう。 

 周知の通り、米国では国歌斉唱の時、起立をして右手を左胸に当てます。それに反してNFLの選手が試合前の国歌斉唱の際、片膝をついたのです。トランプ大統領は、国歌、国旗及び国家に対して敬意を示していないと、強く非難しました。「米兵は国旗や国歌をかけて戦っている」と主張したうえで、「オーナーは、膝をついた選手を退場させてクビにしろ」とまで言い切ったのです。

 NFL問題の発端は、あるアフリカ系選手が白人警察官の非白人に対する相次ぐ射殺事件に抗議するために、国家斉唱で片膝をついたことにあります。片膝は、人種差別反対のメッセージなのです。

 ところが、トランプ大統領の解釈は異なっていました。同大統領は、NFL選手の行為は国歌、国旗及び国家を侮蔑しているとして、愛国心に訴えたのです。

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