捕獲すれども被害は減らず、間違いだらけの獣害対策

捕獲すれども被害は減らず、間違いだらけの獣害対策

(イラスト・マグマジャイアンツ)

 全国で増大する野生鳥獣による農作物被害。実は1980年以前は目立たなかった。ところが次第にイノシシ、シカ、カモシカ、サル、クマ、さらに外来のハクビシン、アライグマなども加わって、21世紀を迎えた頃から爆発的に増え始める。

 被害額のピークは2010年の239億円。近年は各地で獣害対策に本腰を入れ始め、15年は176億円と漸減傾向にある。ただ、この数字は小規模な被害や家庭菜園など作物が市場に出ないものを含まないことが多い。また林業地の食害や皮剥ぎ被害も表に出づらい。実態は表の数字の5倍という推定もある。

 獣害が収まらないのは、生息数が増えたからだ。環境省によると13年のニホンジカの推定数は約305万頭、イノシシが約98万頭(いずれも推定中央値)。なお北海道のエゾシカは約45万頭(16年)とされる。イノシシは近年横ばいだが、ニホンジカは23年に453万頭に増えると推測されている。

■なぜ、シカやイノシシは増えたのか?

 なぜ、これほど増えているのだろうか。イノシシは多産で、一度に5頭以上の子を産むことも珍しくない。一方シカの出産はたいてい1頭だが、生後1年で出産可能になり毎年産む。親、子、孫、曾孫……が毎年産むのだから、増殖率は馬鹿にならない。

 産んでも死亡数が多ければバランスが取れるが、近年下がり気味だ。死亡率の高い冬の間が越しやすくなったからと思われる。温暖化の影響もあるが、餌が豊かになったことが指摘される。

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