NAFTA脱退は米国の利益にならない

NAFTA脱退は米国の利益にならない

(iStock.com/AzuAya25/Sudowoodo)

 NAFTA再交渉が難航するにつれトランプがNAFTA脱退を再び口にするようになっていることについて、ニューヨーク・タイムズ紙の10月12日付け解説記事が、脱退は米国の利益にならないことを冷静に分析しています。要旨は次の通りです。

 トランプは、米国がNAFTAから脱退するとの脅かしを続けており、交渉が暗礁に乗り上げればそのリスクはまもなく現実となる。1994年のNAFTAの発効以来、米国の対カナダ及びメキシコ貿易は3倍以上に増大し、中国に次ぎメキシコは第2位の、カナダは第3位の輸出国であり、米国製品の大口輸入国でもある。もし脱退すれば経済と消費者にとって生ずる変化は大きい。

 トランプは、NAFTAを不公平な競争環境を作るもので、メキシコは米国から雇用を盗み、廉価で無税の商品に国境を開いたと非難した。トランプは、工場や雇用を米国に戻したいのである。しかし、NAFTAからの脱退は、米国企業及び消費者にとってのコストを増加させ、意図せぬ結果を招きかねない。

 NAFTAの下では3国間の貿易にほとんど関税がかかっていないが、米国が脱退すれば、メキシコとカナダは、WTOでの約束のレベルに関税を引き上げ、価格は上昇し、企業利益は削減されるであろう。

 企業はNAFTA成立以来、コストや資源の有利さを求めて国境を越えた複雑なサプライ・チェーンを築き上げてきた。海外からの部品供給に依存している自動車産業だけでなく、農業、エネルギー、小売業は影響を受けるであろう。

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