23区の「格差」は「逆転」するのか

23区の「格差」は「逆転」するのか

『23区大逆転』(池田利道、NHK出版)

 東京都心部を歩くと、どこもかしこもという言葉が大げさではないくらい、あちらこちらに新しいオフィスビルや高層マンションが建ち並んでいる。外見的には多くの街が変化している様子がうかがえるが、住人たちや構造面に変化は起きているのだろうか。その街に抱くイメージと現実の差も気になる。『23区大逆転』を上梓した一般財団法人東京23区研究所の池田利道所長に、印象やイメージではわからない、東京23区の変化について話を聞いた。

――近年、都心部では再開発が至る所で行われ、真新しいビルやマンションが建ち並び、東京23区の人口は増加しています。そうなると益々、東京一極集中が加速しているのではないでしょうか?

池田:東京の一極集中について、2010年から15年の人口増加率を国勢調査で見てみると、東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県の一都三県、いわゆる東京圏が1.4%、同じ期間の沖縄県は2.9%と、数字だけを見れば沖縄県のほうが東京圏を上回っているんです。もちろんもとの人口数が違いますから、沖縄県に一極集中しているとは言えませんが、「東京=一極集中」というイメージで東京圏の数字だけを追っていると、より人口増加率が高い他県の数字を見落としがちです。

 同じように「日本は少子高齢化だから、東京の子どもの数も減っている」と固定観念を抱いていると足元をすくわれます。2010年から2015年までの全国の6歳未満の未就学児の増加率は5.1%減に対し、東京23区を見ると10.1%増と、子どもの数は大きく増えている。

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