日米原子力協定の自動延長を無駄にするな

日米原子力協定の自動延長を無駄にするな

六ヶ所再処理工場にはIAEAの査察官が常駐し、核の平和利用を監視している(YOMIURISHINBUN/AFLO)

 10月の衆議院総選挙で、自民・公明両党が大勝した結果、野党が唱えた「原発ゼロ」の懸念は当面後退したものの、日本の原子力は依然として未曽有の苦境に立たされている。目下の最大の課題である原発再稼働問題は、福島原発事故から6年半にして再稼働にこぎ着けたのはわずか5基。原子力規制委員会の安全性審査はあまりにもスローだ。このままのペースでは、2030年までに原発のシェアを20〜22%にという政策目標を達成できるかどうか甚だ覚束ない。

 しかし、問題はそれだけではない。青森県下北半島の六ヶ所村に建設中の使用済み核燃料再処理工場の竣工、操業開始がさらに遅れそうなのが特に気になる。これまでに何度も完成時期が延期されたが、いよいよ18年度上期には竣工するとされてきた。ところが、最近になって、非常用電源建屋内に雨水が浸入するとか、ウラン濃縮工場の排気ダクトに錆(さび)が生ずるなどのトラブルが相次いで明らかになり、原子力規制委員会の安全審査が中断されたため、本格操業開始はさらに遅れることが決定的となった。

 六ヶ所再処理工場は、我が国の核燃料サイクル政策の要(かなめ)である。かつて外交官として再処理問題に関する日米原子力交渉に直接関与した経緯もあって、同工場の操業開始を期待してきた筆者としては、複雑な心境である。

 この機会に、一般読者にはなじみが薄いと思われる六ヶ所再処理工場問題と日米原子力協定の関係について、簡単に説明しておきたい。

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