米ロ関係はなぜここまで悪化したのか

米ロ関係はなぜここまで悪化したのか

(iStock.com/cynoclub/RITA/Ingvar Bj?rk/donfiore/Miles Nelson Photography/anurakpong)

 National Interest誌の防衛問題担当編集者のマジャムダルが、The American Conservative誌ウェブサイトに10月18日付で掲載された論説で、今日の米ロ関係悪化の始源は、90年代半ばにクリントン大統領とストローブ・タルボット国務副長官がロシアの傷に塩を塗り込むような形でNATOを東欧諸国に拡大し、ロシアに恨みを残したことにあると述べています。要旨は次の通りです。

 ソ連崩壊後、民主主義と市場経済を標榜して米国に擦り寄っていたロシアと米国の関係が今のように悪化した遠因は、1994年クリントン大統領がNATO拡大を始めたことにある。

 米外交官ジョージ・ケナン(第2次大戦直後、冷戦の到来に際してソ連封じ込め政策を提唱する「X論文」を書いて名を上げた)は1997年2月5日のニューヨーク・タイムズ紙に、「NATO拡大の決定は、ロシアのナショナリズム、反西側的で軍国主義的な傾向を掻き立て、ロシアの民主化を妨げるだろう。東西間には冷戦的雰囲気が戻り、ロシアは米国に逆らう外交をするようになるだろう」と書いている。

 クリントンは、フランシス・フクヤマが当時述べた「歴史の終わり」のような考えに与(くみ)して、ロシアに民主主義と市場経済を広めようとしていたのだが、それは少々ナイーブで、かつ、やり方にまずいところがあった。つまり、クリントンは、東欧諸国をNATOに組み入れながらもロシアの民主化も確保する(すなわち、ロシアを親米にしておく)という、両立し難い目標を追求した。

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