佐渡で「和」を醸す、酒蔵五代目の「場作り」

佐渡で「和」を醸す、酒蔵五代目の「場作り」

尾畑留美子さん。学校蔵として使う西三川小学校の教室で。

 「何のためにそうしたいのか、きちんと伝えていれば、応援団や共感者が自然に集まって来ます。同じ価値観を持った人たちですね」─。

 新潟県佐渡に一風変わったコミュニティ≠ェ生まれつつある。仕掛け人は尾畑留美子さん。「真野鶴」という酒を造る尾畑酒造の五代目だ。最近、地域おこしの取り組みとして、あちらこちらのメディアに引っ張りだこである。

 注目されているのは「学校蔵プロジェクト」。2010年に廃校になった「日本一夕日がきれいな」西三川小学校の木造校舎を改造し、仕込み蔵を作った。震災の影響もあって、実際に酒造りを始めたのは14年から。5月から8月の夏場に酒を造る。酒造りの本場は秋から春にかけての冬場だが、その期間は佐渡市真野新町にある本社の仕込みがフル回転のため、今は夏場だけ使っている。

 廃校を利用した酒蔵は全国にも珍しく、西三川の学校蔵ではそこを「場作り」の拠点にした。

■佐渡のファン作り

 14年からさっそく「学校蔵の特別授業」と銘打った交流事業を始めた。日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介さんを招き、「佐渡から考える島国ニッポンの未来」をテーマにワークショップを始めたのだ。15年には講師に玄田有史・東京大学社会科学研究所教授が加わり、16年にはさらに出口治明ライフネット生命保険会長も講師となった。

 授業には尾畑さんの母校でもある佐渡高校の学生や地域の住民のほか、島外からも学者やメディア関係者など約100人が集まった。もちろん小学校の教室がそのまま使われる。

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