白鵬と貴乃花に見る「相撲観」の違い

白鵬と貴乃花に見る「相撲観」の違い

(konggraphic/iStock)

 日馬富士の暴行問題では、貴ノ岩を殴って引退に追い込まれた日馬富士だけではなく、暴行の現場に居合わせた白鵬もすっかり株を下げた。この問題に関する一連の発言で物議を醸した上、貴ノ岩の師匠である貴乃花親方についても、「あの人が巡業部長なら巡業に行きたくない」という意思を相撲協会に示している。そうした白鵬に、「本当に大横綱と言えるのか」と、疑問や違和感を感じているファンは少なくないはずだ。

 成績自体は申し分ない。11月の九州場所で果たした幕内通算40回目の優勝をはじめ、今年までの通算1064勝、うち幕内970勝、横綱としての776勝はすべて歴代1位。いまと昔とでは相撲の中身や力士の置かれた環境などが異なるとはいえ、長い大相撲の歴史の中でも超の字の付くトップクラスの存在である。

 しかし、それほどの実力の持ち主にしては、あまりにも首を傾げたくなる言動が目立つ。九州場所では嘉風に敗れた直後、規則上認められてない物言いを要求して62秒間も土俵に戻らず。優勝インタビューでは「膿を出し切って」「日馬富士関と貴ノ岩関をまた土俵に上げてあげたい」と発言。観衆に万歳三唱を促し、横綱審議委員会から批判され、相撲協会の八角理事長からも厳重注意を受けた。目の前で日馬富士が貴ノ岩を殴打するところを見ていたくせに、どの口でそんなに偉そうなことが言えるのか、というわけだ。

 もっとも、だからといって、白鵬の態度が不遜だという識者やファンの批判が正しいとも、私には思えないのである。

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