トランプが誘発する新たな戦争

トランプが誘発する新たな戦争

(Roman Sigaev/iStock)

 あからさまな“恫喝外交”はまさにトランプ氏の真骨頂だった。国連総会の緊急特別会合は21日、聖地エルサレムをイスラエルの首都と認定した米決定を批判する決議を圧倒的多数で採択したが、同氏はこれに先立ち、反対する国への米援助を打ち切ることを強く仄めかした。しかし、「援助と投票」を絡めた発言への反発は激しく、米国の国際的な孤立は一段と深まった。

■標的はエジプトか

 決議はトルコとイエメンが提案。投票結果は賛成128、反対9、棄権35、欠席21。賛成の中には、日本を含め、英仏独伊など米国の有力同盟国が軒並み入っており、決議に拘束力がないとはいえ、米国にとっては大きな打撃だ。特に、中東の同盟国であるサウジアラビア、エジプト、トルコ、ヨルダンなどが賛成に回ったのが痛い。トランプ氏の圧力が逆効果を招いた格好だ。

 米国の他国への経済援助や国連など国際機関への巨額な拠出に批判的だったトランプ氏にとっては、エルサレム問題での世界的な反発に我慢がならなかったようだ。特に、米国から莫大な援助をもらっているのに「肝心な時に支援しない」(アナリスト)国に対する不満が一気に爆発した。

 同氏は20日、国連総会の特別会合が米国に首都認定の決定の撤回を求める決議を採択する見通しになったことを受け、「米国から数億ドルや数十億ドルも受け取っておきながら、われわれに反対するのなら、やらせておけばいい。(かえって)節約できる」などと反対国に対する援助打ち切りを示唆し、決議に賛同しないよう圧力を掛けた。

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