サウジアラビアでイスラム開発銀行に雇われてみた

サウジアラビアでイスラム開発銀行に雇われてみた

(Harvepino/iStock)

 サウジアラビアは、昔からの文化、社会の規範をそのまま続けてきた国だ。日本は極端に欧米化したが、石油の恵みのあるサウジは超然として宗教を軸とした君主制をつい最近までは続けてきた。そんな国の商業都市ジェッダに拠点を置くイスラム開発銀行に雇われたことがある。 

■スポーツ新聞は空港で没収だ

 ジェッダのキング・アブドゥルアズィーズ国際空港では、どの国と比べても緊張した覚えがある。パスポートコントロールと税関で厳重に審査され、回りの女性たちの黒ずくめのニカーブから眼だけを晒している姿が、中東は初めてだった筆者に威圧感を与えていた。

 「女の裸の掲載された週刊誌は当然だけど、スポーツ新聞だって没収だよ。相撲の裸だって女か男かわからないっていうからね。聖地のメッカとメディナがあるから厳しい」

 そう言ったのは、筆者ら調査団を迎えてくれた商社駐在員のK氏だった。彼は大阪外語大学(2007年大阪大学に吸収)のアラビア語学科を卒業していた。外国人向けの瀟洒なプールつきのコンパウンドに単身で住んでいる。

 筆者が所属した研究所にコンタクトしてきたイスラム開発銀行は、1975年に設立され、加盟57カ国の経済・社会開発のための資金供与が主な目的である。世界銀行やアジア開発銀行のイスラム版だが、金融はシャリア(イスラム法)に則って無利子である。

 そこで銀行の賢い人は自身と加盟国の利益を同時にあげるうまい逃げ道を考え出した。

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