日産・SUBARU「無資格検査問題」が示した形骸化した規制の弊害

日産・SUBARU「無資格検査問題」が示した形骸化した規制の弊害

1972年の日産自動車の工場。これ以前のものづくりのレベルを想定した規制がいまだに残っている。(KEYSTONE-FRANCE/GETTYIMAGES)

 日産自動車・SUBARU(スバル)の「無資格者検査問題」、神戸製鋼所による製品データ偽造など「メイド・イン・ジャパン」の信頼性を損なうような品質トラブルが相次いでいる。こうした企業の品質問題の背景には、規制と現状が一致していないこと、仕事のプロセスが合理的に見直されていないこともある。そしてそれが、日本の屋台骨である自動車産業の競争力を奪い始めている。

 国土交通省は2017年11月21日、「適切な完成検査を確保するためのタスクフォース」を設立したと発表。日産・SUBARUの不正を受け、確実な完成検査の実施と不正の防止、同省の効果的なチェックのあり方を検討するためだ。同省審査・リコール課は「制度の必要性はあるとの認識の下、見直す点があるのか、メーカー側の意見も採り入れながら考えていきたい」(型式指定申請業務指導官の團村聡氏)と説明する。

 この日産・SUBARU問題については、自動車業界からは「制度自体が古いので、現状の作業に合っていない」といった声も出ている。

 有資格者による検査の内容は、1951年に制定された道路運送車両法に基づく通達(行政指導)「自動車型式実施要領」で定められ、違う通達などもまとめて現在の形となったのが98年だ。内容をみると、警音器の音の大きさや、亀裂や取り付けの緩みなどを確認するためのハンマーを用いた動力伝達装置の検査、窓ガラスの視認……といったもので、日本の自動車メーカーの製造能力が低く、品質トラブルが多かった時代の名残だ。

1 2 次へ

関連記事(外部サイト)