現在の福島第一原発が「オールジャパン」の体制で廃炉へと挑んでいる実態が明らかに

記事まとめ

  • 筆者は、事故から6年半が経過した、東京電力の福島第一原発を2017年11月に取材
  • 東電は協力企業約40社に工事を発注し、5000人が働く巨大な工事現場になっていた
  • 三菱重工、日立、東芝、鹿島などの大手が参加し、まさに「オールジャパン」の体制とも

廃炉にオールジャパンで挑む福島第一原発の今

 東京電力の福島第一原発を2017年11月に取材した。事故から6年半が経過し、危険のあった現場は様変わりしていた。最新技術を使い、日本のインフラ企業が総出で支え、放射線被害が拡散するリスクはなくなった。廃炉までの道のりは完全に見通せないものの、状況は一歩一歩改善している。

■オールジャパンの支援

 建屋の水素爆発、住民の避難と社会混乱、地域の崩壊――。福島原発事故で、報道やSNSで拡散した衝撃的な光景が人々の脳裏に今でも残る。

 しかし危険は大きく減っていた。取材で筆者らは3時間ほどを福島第1原発内ですごしたが、被ばく量は0.1マイクロシーベルト(μSv)。日本の他地域よりやや高い程度だ。構内の95%では通常の作業服を着て、マスクも簡易なもので作業している。もちろん一部には高い放射線量で間近には行けない場所もある。

 三菱重工、日立、東芝などの原子力企業、鹿島や大林組などの大手ゼネコン。原発の入口の建物の壁には、この大工事に関わる日本を代表する企業の名前と社章が、鼓舞するようにかかげられていた。東電は協力企業約40社に工事を発注し、そこからさらに約1000社がかかわる。最盛期には1日7000人、11月時点で5000人が働く巨大な工事現場になっていた。まさに「オールジャパン」の体制である。

 東電は、現場で働く人の環境整備に力をいれる。同社は14年に事務棟(現在は協力企業が利用)、15年に現場で働く人向けの大型休憩所、そして16年10月には新事務本館を作った。

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