一般教書演説にみるトランプの本音

 今回のテーマは「トランプ大統領の一般教書演説」です。ドナルド・トランプ米大統領は1月30日夜(日本時間同月31日午前)、連邦議会の上下両院合同会議で、今後1年間の内政と外交の方針を示す初の一般教書演説を行いました。演説の冒頭、ストーリーテリング(物語を語る)の手法を用いて、自然災害に立ち向かった人々の強さを物語風にしたてて語りました。

 次に、好調な経済を全面に出して1年間の成果を強調し、一旦愛国心に訴えてから貿易、インフラ投資、移民制度改革、外交に移りました。愛国心を政策の間に挟んだ点に注目です。本稿ではこの演説を、「成果とセールス」及び「融和か支持基盤か」の2つの視点から分析します。

■成果とセールス

 トランプ大統領の一般教書演説は、成果とセールスの2本柱から構成されていました。同大統領が成果の中で、最も強調したのが好調な経済です。

 製造業における雇用増加、失業率減少、大型減税法案の成立並びにボーナスの支給など、経済面における成果を次々にリストしました。なかでも、アフリカ系及びヒスパニック系の失業率の低さを挙げて、「最低水準を記録した」「歴史的な最低水準だ」と豪語したのです。先週、スイスで行われたダボス会議の演説でも、アフリカ系とヒスパニック系の失業率の低さについて言及しました。

 トランプ大統領のこの失業率の発言に対して、アフリカ系のホワイトハウス担当女性記者から、疑問の声が上がっています。

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