ソニー復活へのキーワードは「反脆さ」

 ソニーは、4月1日付けで代表執行役社長兼CEOを、現在CFOを務める吉田副社長に交代する人事を発表した。平井社長は記者会見で、「コンシューマエレクトロニクス事業を、安定した収益を挙げられる事業構造に変革できたことは感慨深い」と語った。

 2017年度の業績見通しの売上高が8兆5000億円、営業利益が前年比2.5倍の7200億円という数字は、確かにソニーという企業の復活を示すものだろうし、「規模を追わず、違いを追う」という方針で、コンシューマエレクトロニクス事業の事業構造を変革して黒字化した平井社長の努力は讃えられるべきなのかもしれない。しかし、次期社長に引き継がれる課題は大きい。

 リーマンショックという誰も予測できなかった衝撃によって、世界的な景気の低迷や円高などが引き起こされた。ソニーは、すでにグローバルな競争力を失っていたパソコンやテレビなどのコンシューマエレクトロニクス事業(エレキ)の業績悪化が加速し、長期的な経営不振に陥った。

 やむなく、事業の売却や撤退、さらに大規模な人員削減などのリストラを繰り返し、10年を費やして、ようやく回復にこぎ着けたというところだ。しかも、平井社長らがエレキの復活の担い手と位置付けてきたスマートフォン事業を抱えるモバイル・コミュニケーション分野(MC)は苦戦しており、黒字を維持してゆく見通しは立っていないのが実情だ。

 デジタル時代になって、テレビも携帯電話もカメラも携帯音楽プレーヤーも、インターネットのクラウドサービスと繋がるようになった。

1 2 3 次へ

関連記事(外部サイト)