なぜ今アメリカで「社会主義」が注目されるのか

なぜ今アメリカで「社会主義」が注目されるのか

一般教書演説で「アメリカを社会主義の国にしてはならない」と強調したトランプ大統領
(写真:AP/アフロ)

冷戦期、アメリカは社会主義・共産主義と対峙する資本主義圏の盟主としての地位を確立していた。現在、そのアメリカで、社会主義という言葉に大きな注目が集まっている。

 ドナルド・トランプ大統領は、2月に行った一般教書演説で、アメリカを社会主義の国にしてはならない、そして、アメリカは決して社会主義の国になる事はないと強調した。冷戦期の国際情勢や社会主義国の状況を知るものからすれば、何を当然のことを言っているのだろうという気がしなくもない。だが、今日のアメリカでは、社会主義という言葉に対するとらえ方が以前とは大きく変化している。1940年代、アメリカで社会主義と言えば、様々な企業等を国家が管理する考え方だとされた。しかし、今日では、社会主義という言葉は、政府による管理や統制よりも、平等と結びつけて理解されるようになっている。

■「社会主義」に好意的なイメージを抱かせたバーニー・サンダース

 アメリカで近年、社会主義と言う言葉に好意的なイメージを抱かせるきっかけを作ったのは、2016年大統領選挙で民主党候補となることを目指していたバーニー・サンダースであろう。従来型権力の象徴的存在であったヒラリー・クリントンに対抗し、革命を訴える自称民主社会主義者であるサンダースの主張は、とりわけ若者の心をとらえた。そして、2018年の中間選挙では、サンダースが連邦議会上院で三選を達成したのみならず、ニューヨーク州でアレクサンドリア・オカシオ・コルテス、ミシガン州でラシダ・タリーブら社会主義者を称する人物が当選している。

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