世界銀行新総裁候補を待ち受ける困難

世界銀行新総裁候補を待ち受ける困難

(Aluna1/krblokhin/iStock)

トランプ米大統領は、世銀の新総裁にデイヴィッド・マルパス財務次官を推薦することを発表した。2012年にダートマス大学学長で疫学の専門家ジム・ヨン・キムが推薦され、世銀総裁になった時もそうであったが、今回も物議をかもしている。米主要紙では、ウォールストリート・ジャーナル紙が2月5日付の社説‘Mission Impossible: World Bank’で賛意を示し、ワシントン・ポスト紙は、2月7日付でEswar Prasadによる、推薦を批判する論説‘Why Trump's pick for World Bank president is a threat to the institution itself’を掲載した。

 WSJ社説は、マルパスがレーガン政権で財務相の世銀担当を務め、開発経済の分野で経験が豊かなことから「世銀の総裁になる資格が十分ある」と評価している。同時に、「総裁になれば世銀の官僚組織、世銀の加盟国から、わずかな改革に対しても激しい抵抗に遭うだろう」と前途の困難さも指摘する。

 一方、プラサッドの論説は、マルパスを推薦することを批判する根拠の一つとして、マルパスが多角的アプローチや世銀に批判的であることを挙げている。しかし、これは検証を要する。マルパスが批判しているのは、2017年11月の外交問題評議会でのインタビュー形式の討論会でのマルパスの発言である。

1 2 3 次へ

関連記事(外部サイト)