福島第一原発「廃炉」の舞台裏、「9・11」で得た新技術を駆使

福島第一原発「廃炉」の舞台裏、「9・11」で得た新技術を駆使

上部に「使用済み燃料取り出し用カバー」が取り付けられた福島第一原子力発電所3号機(出典:東京電力ホールディングス)

福島第一原子力発電所の構内の高台に立つと、青い海を背景に4基の原子炉建屋が並ぶ様子が見える。廃炉作業が進められるその現場の風景を眺めるとき、多くの人の目を引くのが、巨大なドーム状の構造物に覆われた3号機の異質さだろう。

 3号機は事故当時、水素爆発によって建屋の上部が吹き飛んだ。激しく破損した上部の瓦礫が撤去され、後に作られたその構造物は「使用済み燃料取り出し用カバー」と呼ばれるもので、「かまぼこ」の形をしたドームを八つに輪切りにする手法で組み立てられている。

 全体の大きさは全長約57メートル・地上高約54メートル。内部の「オペレーティングフロア」には建屋内のプールから使用済み燃料を取り出すための装置があり、東京電力は2018年後半に遠隔操作での取り出しを予定していた。566本の燃料を取り出すこの重要な作業は装置の不具合で延期されているが、高台から望む特異なカバーの姿は、現在の廃炉の現場を象徴する風景の一つである。

 施工を担当した鹿島建設の現場所長である岡田伸哉(55歳)にとって、ドームの最後のパーツが接続された18年2月22日は、自らのキャリアにおける忘れられない一日であり続けるはずだ。

 工事の現場責任者である彼はその日、高さ約100メートルの巨大クレーンにつり下げられたドームの部材を、オペレーティングフロアの上から静かに見上げていた。

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