最果ての防人・自衛隊「海賊対処」の舞台裏

最果ての防人・自衛隊「海賊対処」の舞台裏

P-3C哨戒機は月に約20日間、日中にアデン湾上空から海賊の警戒監視にあたる。1回のフライトはおよそ8時間

2018年12月23日、この日も、哨戒機P−3Cはソマリア沖アデン湾に向かってジブチの拠点を飛び立っていった。

 同海域の海賊から航行する船舶を護衛する目的で自衛隊の海外派遣が行われるようになって10年。自衛隊からの派遣隊は33次を数えている。

 海上自衛隊八戸航空基地所属のP−3Cは季節風の影響で白波が立つアデン湾を東に向かった。コックピット越しに見えるアデン湾は季節風が巻き上げる砂漠の微細な砂で霞んで見える。夏場はゆうに30キロ先まで見通せるが、この季節は1マイル(約1・6キロ)、2マイルしか視界が確保できない日もある。

 船舶への襲撃、乗っ取り、その過程では銃撃戦さえあった海賊行為。自衛隊が対処行動に参加し始めた頃、2009年からの3年間などは毎年200件以上の事案が発生していた。前述したように、銃撃、被弾する船舶も少なくなかった。自衛隊を始めとする多国籍軍(アメリカ、フランス、スペイン、イタリア、ドイツなど)と共同の対処行動による抑止は確実に効果をあげ、一昨年、昨年と発生件数は9件、2件と低い水準で推移している。

 とはいえ、今もってアデン湾を挟むイエメンはサウジアラビア、イランの代理戦争の様相を呈している。ジブチの隣国、ソマリアは内戰の影響で国内が4分割に統治された状況。IS(イスラム国)が深く浸透している地域もある。

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