フランス、ドイツに核の傘を提供する用意

フランス、ドイツに核の傘を提供する用意

(Trifonenko/tkacchuk/iStock)

1月22日、ドイツの町アーヘンの市役所で、メルケル首相とマクロン大統領が、独仏両国の協力と欧州統合を一層推進する条約に署名した。このアーヘン条約は、平和と安全保障、文化、教育、研究、気候、環境開発、経済など、多岐にわたる包括的な独仏協力をうたったものだが、最も重要なのが防衛、安全保障で、就中両国の領土に対する侵略が行われた場合、「兵力を含むあらゆる手段」で支援することを約束している。

 この約束は、集団的自衛権を定めたNATO条約第5条を越えるものとされている。NATO 条約第5条は、締約国が攻撃を受けた場合、「必要とみなす行動を取る(…such action as it deems necessary…)」と規定しているが、アーヘン条約での支援は無条件とされている。

 これは、欧州が自らの運命を決める時期が来たとの認識に立ったものと言われる。そして、それはトランプ大統領のNATO観に由来するものである。トランプはNATOでは米国が不当に多くの財政を負担させられているとして、他の加盟国に防衛費を少なくともGDPの 2%支出するよう求めたが、基本的にNATOを税金の無駄使いとみなしている節があり、米国のNATOからの離脱さえ示唆している。このような状況の下で、欧州諸国が米国には頼れないと考えるのは当然である。

 米欧関係は、第二次世界大戦後の国際社会で大きな比重を占めてきた。

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