“シリア化”するベネズエラと米ロ対立

“シリア化”するベネズエラと米ロ対立

(iStock.com/flySnow/Purestock)

シリア・アサド政権めぐり火花を散らせて来た米露両国が、今度は南米ベネズエラのマドゥロ独裁政権への対応めぐり対立を深めている。現体制批判を強め、軍事介入の可能性させちらつかせるトランプ政権と、先月、体制テコ入れのため急遽、軍用機で軍事顧問団を首都カラカスに送り込んだプーチン大統領―。このまま双方の駆け引きがエスカレートしていけば、同国の“シリア化”すなわち内戦も避けられない。

 シリア情勢をめぐっては、去る2011年、民主化要求運動“アラブの春”に触発された反政府勢力が、アサド独裁政権打倒めざし各地で政府軍と衝突、内戦が勃発した。しかしその直後から、かねてから経済および軍事的協力関係を強めてきたロシアおよび、同じイスラム教シーア派のイランがアサド政権支援に乗り出したのに対し、アメリカ、フランス、イギリスのほか、イスラム教スンニ派のサウジアラビアなどが反政府軍支持に回った結果、一国内の問題にとどまらず、外国勢力を巻き込んだ複雑な対立と利害関係のからんだ深刻な国際問題にエスカレートしたまま今日に至っている。

 そのシリア情勢に酷似しつつあるのがベネズエラだ。

 世界有数の産油国として知られてきたベネズエラでは、2018年5月の選挙で、ニコラス・マドゥロ現職大統領が再選を果たしたものの、今年1月、野党指導者で国会議長だったフアン・グアイド氏が「選挙は正当性に欠け無効」として自らが「暫定大統領」就任を宣言、それ以来、軍事独裁体制を維持してきたマドゥロ大統領と民主化運動の指導者として高い人気を誇るグアイド氏の「二人の大統領」が国を分断統治するという異常事態が現出した。

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