「IS打倒」宣言が正しくない理由

ISはスンニーの保護勢力としてこの対立を利用してきた。

・第三の要素は、ISの戦闘員の分布とそれがもたらす脅威である。ISが主要な市街地域で支配権を失うようになるにつれ、戦闘員は住民とともに各地に避難、潜伏した。その潜伏要員がそこで攻撃をするようになった。今やISは10を超える国に基地や潜伏支部を擁する世界的なネットワーク機構だ。

・ISは反乱の原点に戻った。今ISはイラクでゲリラ戦闘を行い、治安部隊や部族指導者などを殺害している。地域社会を恐怖化し、不安定要素を植え付け、イラク保安部隊の無能さを露呈するISの戦略は成果を生み出しつつある。

・アラブ・イスラム社会が直面する課題はジハーディズムのイデオロギーに代わる議論を発展させることだ。そのためには、仕事と希望をもたらす透明性のある、包含的な、代表性のある政府が必要である。

参考:Fawaz Gerges,‘The Islamic State Has Not Been Defeated: Make no mistake: The group will be back unless the conditions that gave birth to it are addressed’(New York Times, March 23, 2019)
https://www.nytimes.com/2019/03/23/opinion/isis-defeated.html

 上記Gergesの論説は、ISは消滅するどころかイラクやシリアなどで潜伏部隊として新たな活動をしているとの分析と、ISの完全な打倒を達成するためには経済、政治、イデオロギーの対応が必要であるとの処方箋を示している。

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