「駅から徒歩20分」築35年、老朽アパート“自主管理”事始め

「駅から徒歩20分」築35年、老朽アパート“自主管理”事始め

(TkKurikawa/Gettyimages)

■突然の退去通知

 人生には何の予兆もなく厄災がやってくる。数年前、インドを放浪していた春のある日。ゲストハウスで目を覚ますと、滅多に連絡がない長兄から携帯に着信メールがあった。咄嗟に悪い予感。

 メールと開くと、

実家のアパートのコーポ○○の借主S氏が数か月後に退去するので敷金30万円を至急返却するよう不動産屋から連絡あり。至急帰国乞う

 長兄は引退した公務員であるが世事に疎く、お金がらみの話になると頼りにならない。

兄上殿。敷金は借主が退去した後、修繕費用などを差し引いて清算するべきもの。不動産屋の即時返金請求は一旦断り、小生が帰国後に借主と直談判すると返答乞う

 と返信。

■コーポ○○とは?

 コーポ○○は名前だけは洒落ているが、亡父が35年前に建てた小さな老朽木造アパートである。地元の不動産屋に管理を任せており、父の死後二十数年間は老母が大家となっていた。それまで私はコーポ○○には全く関与していなかった。

 このアパートは実家や私の住居から遠く、車で小一時間もかかる。それゆえ家族の誰も過去25年以上コーポ○○の現況は見ていない。“不在大家”である。

老母からは「不動産屋さんがキチンと管理してくれているので、今まで何の問題もなく毎月家賃が振り込まれている」と聞いていた。

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