大統領辞任しても「院政」か? カザフ・ナザルバエフ氏の影響はいかに

大統領辞任しても「院政」か? カザフ・ナザルバエフ氏の影響はいかに

(PictureLake/grebeshkovmaxim/iStock)

30年にわたって絶対的権力の座にあったカザフスタンのナザルバエフ大統領が3月19日、辞職を表明、トカエフ上院議長が大統領任期の残りを代行することになった。

 ナザルバエフは「若い世代に譲る時が来た」と言っているが、辞職は、新指導者への移行を逐一管理するための方便であろう。ナザルバエフは辞職後も相当な権力を持つ特別な法的地位を与えられている。正式な肩書は「国家の指導者」で、国家安全保障会議議長職を引き続き保持し、直接軍部を支配する。また、終生、政策決定に介入する権利を有する。大統領時代の行動については訴追を免除され、彼と家族の資産は没収不可とされている。

 トカエフに代わって上院議長になった長女、ダリガ・ナザルバエワは次期大統領の立場にある。大統領選挙は本来2020年だが、年内に前倒しされるとの観測もある。今のところトカエフ大統領代行と、ダリガ上院議長が有力視されている。トカエフについてナザルバエフは辞任スピーチの中で、真にその資質を誉め、後任たるにふさわしいと述べている。

 ナザルバエフには、反対者を徹底的に弾圧する独裁者というマイナスの顔がある一方、カザフスタンを「見える」国にした功績は大きい。ロシア、中国、米国といった大国とはすべて良好な関係を有し、大規模な国際会議を主宰したり(2010年12月OSCE諸国首脳会議)、国際紛争の仲介をしたりして(例えば2018年にかけて、シリアについてロシア、米国、トルコ、イランを一堂に集めた会合を8回主宰)、国際的にかなりの存在感を築いた。

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