大統領辞任しても「院政」か? カザフ・ナザルバエフ氏の影響はいかに



 内政では、ナザルバエフに逆らう政治家は文字通り殲滅されてきたが、全般的にはウズベキスタンよりは権威主義的な上意下達の雰囲気は薄い。しかし、それは健全な民主主義の基盤になると言うより、ナザルバエフという上部の重石が消えた時は、自負心の強いエリート達がばらばらの自己主張を強めて混乱に陥る可能性があることを示している。

 カザフスタンは、経済では、外資を受け入れ原油大国となることで、中央アジアで随一のGDPを築いた。他方、国民よりも「取り巻き連中」の方が大きな利益を得てきた、腐敗した体質が強い。ナザルバエフが長年笛を吹いている製造業、中小企業の振興についても、中世以来の歴史に起因する近代的ビジネス・マインドの欠如、中堅幹部の人材不足等からうまくいっていない。

 ナザルバエフが「院政」を敷くのは既定路線というのが衆目の一致するところであり、カザフスタン、中央アジアの情勢に今のところ大きな変化は起きにくいと思われる。むしろ、「院政」への移行型(ケ小平型と言ってもいい)の権力移譲が、ロシアでの「プーチン後」への議論をあおる可能性の方が興味深い。プーチンの任期は2024年までであるが、「国家評議会のような、半分非公式の新しい最高決定機関を作って、その長にプーチンを据える」というアイデアが既にフロートされている。

  
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