急成長を遂げた「人民元建て原油先物市場」の行方

急成長を遂げた「人民元建て原油先物市場」の行方

世界最大の原油輸入国である中国にできた原油の先物市場(REUTERS/AFLO)

2018年3月26日に上海先物取引所で人民元建ての原油先物取引が始まった。この1年間で専門家らの予想を上回る成長を遂げている。市場関係者によると、既に累計の取引高が3300万枚(330億バレル)に到達したとのことで、ニューヨークやロンドン市場に次ぐ、第3位の取引量だ。この急成長の背景には、中国が世界最大の原油輸入国として存在感を高めていることがある。

 原油先物取引の国際指標にはニューヨークのWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)、ロンドンの北海ブレント、中東・ドバイなどがある。いずれも原油の供給ポイントでの指標であり、ドル建てであり、これらが世界の原油市場の価格形成の中心であった。今後、アジアの需給を反映する消費ポイントにできた上海市場での指標が、国際原油市場において徐々に影響力を持つことになることが期待されている。

 しかし、上海市場が真に国際指標となるには、その道のりは平たんでなく、従来の欧米等での国際指標に取って代わる存在には当面ならないだろう。

 その理由は2つある。1つは、欧米等の供給ポイントの市場には、生産者やバイヤー、トレーダーなど多様な国際的プレイヤーが集まり、さまざまな取引が活発に行われている。一方、消費ポイントにある上海市場の特性として、参加者の約9割が中国国内の関係者に偏っており、多様性という面で課題がある。

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