本当は重要な副大統領ポスト、映画「バイス」にみるその実像

本当は重要な副大統領ポスト、映画「バイス」にみるその実像

チェイニー副大統領役を務めたクリスチャン・ベール氏(左、 REUTERS/AFLO)

世にさまざまな職業があるが「いるだけ」が仕事というポストもないわけではない。合衆国副大統領も、そのひとつと思われている。大統領が死亡するか、辞職しなければ出番はめぐってこない。地味というにはあまりに人畜無害≠ネ職だ。そういう評価は正しいのか?いま各地で上演中の映画「バイス」は米副大統領へのイメージを大きく変えてくれる。

■ チェイニー副大統領がモデル

 「副」「代理」を意味するタイトルの映画は、2代目ブッシュ政権で副大統領を務めたディック・チェイニー氏の物語だ。

 名門エール大学に入学しながら、アルコールにおぼれ、成績不良で中退したチェイニーは、才媛の妻の助けを借りて電気工から身を興す。1960年代末、若き下院議員、ロナルド・ラムズフェルド氏(後に2代目ブッシュ政権の国防長官など)のスタッフの職を得たことが、人生を決める転機になる。ここで力量を見いだされ、フォード政権で34歳、史上最年少の大統領首席補佐官、下院議員、国防長官(初代ブッシュ政権)と次々に大舞台を踏んでいく。最後は副大統領。

 焦点が当てられているのは、副大統領時代の活躍、暗躍≠ヤりだろう。

 詳しいストーリーに触れるのは避けるが、チェイニーが副大統領職を受諾したのは、経験の浅いブッシュ氏(子)に代わって実権を握る野望からだった。

1 2 3 次へ

関連記事(外部サイト)