逆風吹きすさぶ原発事業の風向きは変わるか

逆風吹きすさぶ原発事業の風向きは変わるか

(anusorn thongpasan/gettyimages)

今年1月日立製作所は、英国ウィルファ・ネーウィズ(ウィルファ)原子力発電所の建設計画及びオールドベリー原発に関する作業について凍結すると発表した。この背景には英国政府との交渉の結果、日立が満足する条件が得られなかったことがある。

 電力市場が自由化されている英国では、投資額に見合うだけの電気料金・収入が将来得られるか不透明だ。市場に任せたのでは、将来の収益見通しが不透明な発電設備を誰も建設しなくなり、電力供給が不安定になる。このため、英国政府は再生可能エネルギーと原発については発電された電気を固定価格で買い取る制度を導入し建設の支援を行っている。

 ウィルファ原発については追加の支援策も用意されたが、それでも日立にとっては事業推進を決断するには不十分だった。

■欧州で吹く原発への逆風と北米で吹く追い風

 最近の欧米の原発建設では当初計画より投資額が膨らみ、工期が遅れることが相次いでいる。原発のように、当初の投資額が巨額であり発電コストの大半を投資額が決める場合には、投資額増大が収益にもたらすリスクは大きくなる。英国政府が日立に提示した条件の概要を見ると、投融資に関する補助、固定価格の買取価格は提示されているが、建設費の増大と工期の遅れに伴うリスクは反映されていなかったようだ。

 即ち、工期が遅れた場合には発電された電気の買取期間が短くなる、あるいは最悪、買取契約が解除されるリスクを建設主体が負うことになる。

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