逆風吹きすさぶ原発事業の風向きは変わるか

工費の増大は当然収益に悪影響を与え投資企業の存続にすら大きな影響を与える可能性がある。両リスク共に大きく、事業者が負うには、フランス、中国のように国のバックアップがないと難しいかもしれない。

 英国では、日立の計画凍結により将来のエネルギー供給に関する懸念の声も出ているが、現在、仏EDF(フランス電力)と中国CGN(広核集団)が建設中の原発ヒンクリー・ポイントC(172万kW)の建設計画に関しても、工費増大と工期遅延に関する懸念の声があり、原発建設計画の不透明化によりエネルギー供給に加え、温暖化対策への影響が生じるとの指摘も出ている。

 EUレベルでも逆風が吹いている。昨年5月、EUでは欧州委員会が持続可能なファイナンスに関する法制度整備案を提出したが、今年3月欧州議会は持続可能なファイナンスの定義に化石燃料、天然ガスのパイプライン、原子力は含まれないと決定した。今後EU閣僚理事会で議論されることになるが、合意されれば原子力発電への投融資に制限が課せられる可能性が出てくる。事業には逆風だ。

 その一方、米国では今年1月国境の壁建設を巡り連邦政府機関の閉鎖が行われるなど共和・民主両党の対立が激化するなかで、両党が小型原子炉(SMR)など新型炉支援の法案を支持し、成立させた。さらに、現在ジョージア州で建設中のボーグル原発3、4号機(125万kW x 2)に対する政府保証額の増額も行われた。

関連記事(外部サイト)