「弱者に優しい社会」は日本人全員を弱者にする

「弱者に優しい社会」は日本人全員を弱者にする

iStock / Getty Images Plus / z_wei

前回まで議論のことを縷々述べてきた。論理的な議論を経て結論を出すと、行動しなければならない。行動して失敗した場合は、誰かが責任を取らされる。責任を取った人は咎められるから、誰もが責任を取りたくない。責任を取りたくないから、行動をしない。行動できないから、議論もタブーとなる(参照:失敗の責任を誰が取るのか、日本企業の落とし穴)。日本企業の中では、なかなか議論がしづらい。議論の結果、不利益になる当事者が現れると、具合が悪い。身近な事例を挙げよう。

■「払込用紙」がいまだ健在という驚き

 先日、某生命保険会社にメールを入れた。自分の生命保険料の払込みはあと残り1年となる。毎月の支払いは面倒だし、一括前払いしてしまえば、若干の割引もあるから、保険会社に連絡して手続を依頼する。

 折り返しの電話がかかってきて一通りの確認を終えると、では払込用紙を日本国内の住所に送るから、それで郵便局や銀行の窓口で払ってくださいと担当者がいう。払込用紙?死語と思われるこの言葉を聞いたのは何年、いや、十何年ぶりか。海外生活の長い私は純粋に驚いた――。日本には払込用紙たるものがいまだ健在なのだ。

「私は海外在住なので、ネットバンキングのオンライン支払先を教えてください」と言うと、「それはできない」と言う。払込用紙がダメなら、「ご来店いただくしかない」と。

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